労働・社会保険
2024.11.20
こんにちは。アルク社労士事務所です。
賞与を支給した場合、日本年金機構に「賞与支払届」を提出する必要があります。
今回は、賞与支払届にまつわるアレコレについてご案内させていただきます。
年3回以下の賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労動の対償としてして支給する賃金のことです。
※年4回以上支給される場合は「賞与に係る報酬」となり標準報酬月額の対象になります。詳しくは別の機会で。
実際に支払われた額(税引き前の総支給額)から1000円未満を切り捨てた「標準賞与額」に健康保険・厚生年金の保険料率をそれぞれ乗じて算出します(※上限あり)。毎月の標準報酬月額の計算とは異なるのでご注意ください。
※上限については、健康保険料は標準賞与額の累計年度額573万円(年度は毎年4月1日から翌年3月31日まで)、厚生年金保険料は1ヶ月あたり150万円です。上限を超えた分の保険料は発生しません。
その月に支払った賞与を合算した額を「標準賞与額」とし、その月の最後に支給した日を支払年月日として提出することとなります。
保険料の上限についても合算した額が適用されます。
保険料の徴収について免除の対象ですが、賞与支払届の提出は必要です。
免除期間に支給した賞与についても将来の年金額に反映されますし、標準賞与額として決定し、年度の累計額に含めることになっているからです。
なお、令和4年10月から育休期間中の社会保険免除要件が見直されており、賞与の保険料についても要件が改正されました。
「賞与を支払った月の末日を含む、連続した1ヶ月を超える育児休業を取得した場合に限り免除の対象」となっております。
この「1ヶ月を超える」は、暦によって判断します。例えば、11/20~12/19で育児休業をした場合は、ちょうど1ヶ月のため、賞与の社会保険料は免除となりません。
また、どの月が社会保険料免除の対象月になるかというと、「1ヶ月を超える」育児休業期間に月末が含まれる月に支給された賞与にかかる社会保険料が免除の対象となります。
出生時育児休業(産後パパ育休。産後8週間以内に最大4週間までを限度とし2回に分けて取得可能)については、賞与の1ヶ月を超える休業にはならないので注意してください。通常の育児休業と連続して1ヶ月を超えて取得した場合は、免除要件を満たします。必ず事前にご確認ください。
参考:日本年金機構「育児休業等期間中における社会保険料の免除要件が改正されます」

賞与支給日と退職日によって手続が異なりますので、以下をご参考ください。
なお、資格取得日と資格喪失日が同月の(1ヶ月以内に退職した)場合に支給した賞与については保険料徴収の対象となります。
・12月10日賞与支給、12月20日退職(支給日が退職日の前)
→資格喪失日は12月21日、資格喪失月は12月、賞与支給にかかる保険料の徴収なし、届出必要
・12月25日賞与支給、12月10日退職(支給日が退職日の後)
→資格喪失日は12月26日、資格喪失月は12月、賞与支給にかかる保険料の徴収なし、届出不要
・12月25日賞与支給、12月31日退職(支給後、月末に退職)
→資格喪失日は1月1日、資格喪失月は1月、賞与支給にかかる保険料の徴収あり、届出必要
・提出先は管轄の日本年金機構又は年金事務センター
・提出期限は賞与支払日より5日以内
・CDやDVDでの「電子媒体」での届出の際は、事業所名称、事業所整理記号等を記載したラベルを電子媒体に貼付してください。
・令和2年4月より、資本金等の額が1億円を超える法人に関しては電子申請での届出が義務化となっております。
賞与支払月の登録については、『新規適用届』提出の際に登録するか、又は『事業所関係変更(訂正)届』にて変更が可能です。
賞与支払予定月の前月に、被保険者の氏名や生年月日等印字された届け出用紙が日本年金機構より事業所へ届きます。
「賞与不支給報告書」の提出が必要です。
(2021年4月より総括表が廃止され、不支給の場合は賞与不支給報告書を提出することになりました。)
支払いが無くても登録した月に届出がないと日本年金機構から提出依頼があります。
支払予定月に支給しないことになったり、支払いする月が変更することになった場合、変更する欄があるので変更することも可能です。
新たに賞与を支給することになったり、支払月の変更があった場合は「事業所関係変更(訂正)届」の提出が必要です。
登録している賞与支払月に賞与支払届の提出がないと、2ヶ月後に年金機事務所から督促状が届くので、速やかに提出のうえ保険料の納付をしましょう。
提出期限が過ぎても遡及して納付することはできますが、保険料の徴収時効があり、賞与を支給した日から2年までしか遡ることができません。
将来受給できる年金額にも影響されてしまうので、提出漏れのないように注意しましょう。
参考:日本年金機構「従業員に賞与を支給したときの手続き」
それでは。
記事一覧
RECOMMENDED
こちらの記事もおすすめ

2026.10.18
法改正
【2027年4月施行】ストレスチェックの集団分析、会社が受け取れる結果は?

2026.10.11
コラム
「復職可能」の診断書が提出された場合の会社の対応実務

2026.10.9
労働・社会保険
2026年10月から「保険料調整制度」のスタート

2026.10.5
コラム
二以上事業所勤務でA社を退職したら、B社の社会保険はどうなる?

2026.9.29
コラム
休職中で給与ゼロ。社会保険はどうなる?

2026.9.3
コラム
退職者から未払い残業代を請求されたときの対応

2026.8.30
法改正
【2026年10月1日施行】求職者等セクシュアルハラスメント対策義務化

2026.8.26
コラム
2026年9月は「職場の健康診断実施強化月間」

2026.8.25
コラム
2026年9月1日から変わる時間外労働の監督指導

2026.8.14
コラム
【研修・教育訓練は労働時間?】「自由参加」で決まらない労働時間制の判断基準

2026.7.27
ハラスメント
【2026年10月1日施行】カスタマーハラスメント対策義務化

2026.7.22
法改正
【令和8年8月1日から】育児休業等給付の申請手続き見直し
