労働・社会保険
2025.5.27
こんにちは。アルク社労士事務所です。
今回は、二以上事業所勤務者の社会保険について案内させていただきます。
一人の従業員が複数(二か所以上)の事業所で働いており、それぞれ社会保険に加入する要件を満たしている場合は同時に社会保険料に加入する必要があります。
この従業員のことを二以上事業所勤務者といい、社会保険の納付などを適切に行うために、二以上事業所勤務届を提出しなければなりません。
最近では働き方の多様性により副業・兼業などをする従業員(役員を含む)が増えてきましたので、複数勤務した場合は二以上勤務者に該当するかどうか必ず確認をしましょう。
二以上事業所勤務者として該当した場合、日本年金機構に「被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を従業員本人(被保険者)が提出する必要があります。
被保険者は届出をする際に事業所を選択します。
選択した方の事業所を「選択事業所」、そうでない方の事業所を「非選択事業所」といいます。
(この選択事業所については被保険者が選択できるので、報酬が多かったり勤務時間が長かったりなどの理由で選択する必要はなく、被保険者が自由に選択することができます。)
選択事業所を経由して、選択事業所が加入する健康保険組合と管轄の年金事務所に提出します。
この届出により、今後選択事業所の所在地を管轄する年金事務所や事務センターが当該被保険者に関する事務処理を行うこととなります。
提出時期
事実発生から10日以内
提出先
選択する事業所の所在地を管轄する事務センターまたは年金機構
提出方法
電子申請、郵送、窓口持参
添付書類
健康保険証、資格確認書(全国健康保険協会(協会けんぽ)から交付されている場合)
参考:日本年金機構「被保険者が複数の適用事業所に使用されることになったとき」
二以上勤務者の届出にあたっては、適用事業所の被保険者となるための「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」の提出が前提となります。
手続きについてはさまざまなケースがあります。
①同日に複数の事業所に勤務することとなった場合
選択事業所
「資格取得届」と「被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を管轄の年金事務所や所属する健康保険組合に提出
非選択事業所
「資格取得届」を選択事業所管轄の年金事務所や所属する健康保険組合に提出
②所属していた事業所を選択事業所として、新たな事業所に勤務することとなった場合
選択事業所(従来の所属事業所)
「被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」、「健康保険証、資格確認書(交付されている場合)」を管轄の年金事務所や所属する健康保険組合に提出
非選択事業所(新たな事業所)
「資格取得届」を選択事業所管轄の年金事務所や所属する健康保険組合に提出
③新たな事業所に勤務することとなり、新たな事業所を選択事業所とした場合
選択事業所(新たな事業所)
「資格取得届」と「被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を管轄の年金事務所や所属する健康保険組合に提出
非選択事業所(従来の所属事業所)
「健康保険証、資格確認書」(交付されている場合)
令和6年12月2日以降は健康保険証が発行されなくなっています。
健康保険については選択した事業所で被保険者資格情報が登録され、病院などの医療機関にかかる場合はマイナ保険証(マイナンバーカードに保険証情報を登録したもの)により受診できます。
すでに協会けんぽの被保険者である方が、引き続き協会けんぽ加入の事業所を選択事業所とする場合、現在の被保険者整理番号から新たな番号に変更となります。マイナ保険証を所有していない等の理由により資格確認書の発行が必要な方は、交付申請手続なしで協会けんぽから資格確認書を交付しますが、交付に時間を要する場合があります。早期に資格確認書が必要な場合は、協会けんぽに直接、交付申請をお願いいたします。
引用:日本年金機構「被保険者が複数の適用事業所に使用されることになったときの詳細説明」
①それぞれの会社から支給されている金額を合算して標準報酬月額を決定
②標準報酬月額に保険料を乗じて、保険料を算出
③算出した保険料をそれぞれの会社の支給額に応じて按分
(例) A社25万円 B社30万円=55万円→標準報酬月額56万円
A社 56万円×保険料率×25万円/55万円
B社 56万円×保険料率×30万円/55万円
(※保険料率については、選択事業所の加入する健保組合の料率となります。)
となり、算出した額をそれぞれ会社負担分と従業員負担分を折半して保険料を支払います。
最近では働き方の多様性により副業や兼業などをする従業員が増えてきましたが、2か所以上同時に社会保険の加入要件を満たした場合は、二以上事業所勤務届を提出しなければなりません。
手続きについては二以上事業所勤務者にあたる被保険者本人が手続きしなければなりません。事業所側も手続きの旨を説明するなどのサポートをしてあげましょう。
また、社労士事務所などの代理人が手続きを行う場合は、「委任状」が必要となります。
参考:日本年金機構「被保険者が複数の適用事業所に使用されることになった時の詳細説明」
日本年金機構「兼業・副業等により2カ所以上の事業所で勤務する皆さまへ(リーフレット)」
それでは。
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