労働・社会保険
2026.6.18
こんにちは。アルク社会保険労務士法人です。
日本年金機構は、令和8年度の算定基礎届について、提出期限を令和8年7月10日(金曜)と案内しています。6月中旬より順次、様式等が事業所へ送付されますので、届いたら早めに内容を確認しておきたい時期です。
算定基礎届は、健康保険・厚生年金保険の標準報酬月額を毎年見直すための手続きです。
7月1日現在で使用している被保険者および70歳以上被用者について、4月、5月、6月の報酬月額を届け出て、毎年1回標準報酬月額を決定しなおす手続きとなります。
新たに決定した標準報酬月額は、原則として9月から翌年8月までの各月に適用されます。
この時期は、給与計算、入退社手続き、賞与支給、住民税の更新などが同じ時期に重なりやすくなります。
提出期限だけを見ていると、対象者の確認や賃金台帳の整理が後ろ倒しになることがあります。
まずは
・「誰が対象か」
・「4月から6月の報酬に何を含めるか」
・「月額変更届の対象者か」
を分けて確認します。
算定基礎届の対象となるのは、7月1日現在のすべての被保険者および70歳以上被用者です。
役員、正社員、パート、アルバイトなど名称だけで判断せず、社会保険の被保険者であるかどうかを確認します。
一方で、提出が不要とされる人もいます。
6月1日以降に資格取得した人、6月30日以前に退職した人、7月改定の月額変更届を提出する人、8月または9月に随時改定が予定されている旨の申し出を行った人が挙げられます。
月額変更予定者は提出方法によって作成時の扱いが変わるため、自社で確認する場合は、届出控え、入退社日、固定的賃金の変更時期と照らし合わせて確認していくとよいでしょう。
実際に迷いやすいのは月額変更届との関係です。
固定的賃金の変更があり、7月、8月、9月の月額変更に該当しそうな人は、算定基礎届とどちらで処理するかを先に確認しておくと安心です。
対象者一覧を作るときは、全員を同じ扱いにせず、
・「通常の算定」
・「月変予定」
・「6月以降取得」
・「退職済み」
・「二以上事業所勤務」
などに分けると整理しやすくなります。
標準報酬月額は、原則として4月、5月、6月の3か月間に受けた報酬をもとに決定します。
通常は、その月の支払基礎日数が17日以上ある月を使います。
特定適用事業所などに勤務する短時間労働者については、支払基礎日数11日以上で確認する扱いもあります。
ここで見落としやすいのは、給与の締日と支給日、欠勤控除、休職、手当の追加、通勤手当、役職手当、歩合給などです。
4月から6月に実際に支払った報酬を確認するため、給与計算ソフトの集計結果だけで終わらせず、賃金台帳、出勤簿、固定的賃金の変更履歴を必ず合わせて確認するようにしましょう。
短時間就労者については、支払基礎日数が17日以上の月があるか、15日以上17日未満の月の扱いになるか、特定適用事業所の短時間労働者として11日以上で見る人かを分けて確認します。
提出方法は、電子申請、電子媒体、郵送、窓口持参があります。
紙や電子媒体で対応する会社も、提出控えをどこに保存するかを決めておくと後で確認しやすくなります。
電子媒体申請を使う場合は、「被保険者報酬月額算定基礎届総括表」は令和3年3月に廃止されていますが、電子媒体届書総括票は継続して提出が必要とされています。前年の資料をそのまま使う場合は、ここも確認してください。
二以上事業所勤務者についても注意が必要です。
二以上事業所勤務者の算定基礎届は、選択事業所を管轄する事務センターから各事業所に送付されます。
5月中旬以降に新たに二以上事業所勤務者になった人がいる場合、複数の算定基礎届に重複して印字されることがあります。
その場合は、二以上事業所勤務者の算定基礎届を返送する扱いです。
役員が複数法人から報酬を受けている場合や、従業員が兼務している場合は、二以上事業所勤務に該当しないかを早めに確認しておくことが必要です。
算定基礎届は毎年の手続きですが、毎年同じ処理でよいとは限りません。
入退社、休職、勤務時間変更、手当の追加、役員報酬の変更、二以上事業所勤務、短時間労働者の適用拡大などがあると、確認すべき点が複数あります。
6月中に対象者一覧を作り、賃金台帳と出勤簿を確認し、月額変更予定者を分け、7月上旬には提出できる状態にしておくと進めやすくなります。
提出期限が7月10日だからといって、7月10日に初めて確認するのではなく、給与計算後すぐに確認できるよう担当者と社内締切を決めておくと安心です。
判断に迷う場合は、算定基礎届、賃金台帳、出勤簿、雇用契約書、固定的賃金の変更資料、月額変更届の対象者メモ、前年の提出控えを整理したうえで確認してください。
特に、月変予定者、休職者、短時間労働者、二以上事業所勤務者がいる会社は、早めに整理しておくことが必要です。
算定基礎届は、会社の給与実態を社会保険に反映する大切な年次手続きです。
令和8年度は7月10日(金曜)が提出期限ですので、6月中旬以降に様式が届いたら、まずは対象者の確認から始めてみてください。
それでは。
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