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【シフト制の年次有給休暇】実績を使った付与日数の算定方法

【シフト制の年次有給休暇】実績を使った付与日数の算定方法

コラム

2026.7.18

こんにちは。アルク社会保険労務士法人です。

令和8年6月19日に「いわゆる『シフト制』により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項」の公表がありましたので、解説させていただきます。

今回、シフト制労働者の年次有給休暇について、主に次の内容が追記されています。

①所定労働日数に応じた年次有給休暇の付与日数

②所定労働日数を算出しがたい場合の取扱い

③年次有給休暇を取得した日に支払う賃金の計算方法

今回の追記は、新しい年休制度が始まったということではなく、これまで判断しにくかったシフト制労働者の取扱いが、現行法令に沿って具体的に示されたものです。パート・アルバイトの勤務日を月ごとに決めている会社では、現在の計算方法の見直しが必要となる場合があります。

「シフト制」に該当する働き方

「シフト制」の定義は、労働契約を結ぶ時点では労働日や労働時間を確定的に定めず、1週間や1か月ごとに作成する勤務シフトで、初めて具体的な労働日や労働時間が確定する勤務形態とされております。

一方、三交替勤務のように、一定期間の労働日数や労働時間数が決まっており、就業規則に定めた勤務時間のパターンを組み合わせる勤務形態は、今回の留意事項でいう「シフト制」から除かれています。

なお、雇入れ時の労働条件通知書において、始業・終業時刻が確定している日について、労働条件通知書に単に「シフトによる」と記載するだけでは足りません。
原則的な始業・終業時刻を記載し、一定期間のシフト表を併せて交付するなど、労働条件の明示方法についても留意が必要となります。

所定労働日数を算出しがたい場合の年休付与日数

シフト制であっても、雇入れから6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者には、法定の年次有給休暇を付与しなければなりません。
あらかじめ所定労働日数を定めていないことを理由に、年休を付与しない取扱いは認められません。

1週間の所定労働日数が4日以下または1年間の所定労働日数が216日以下で、かつ週所定労働時間が30時間未満の労働者には、所定労働日数に応じた比例付与が適用されます。週所定労働時間が30時間以上であれば、この比例付与ではなく通常の付与日数を確認します。

参考:年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています

留意事項では、所定労働日数を算出しがたい場合、次の日数を基準日における1年間の所定労働日数とみなして、付与日数を算出して差し支えないとされました。

・雇入れ6か月経過後の付与:最初の6か月間の労働日数の実績を2倍した日数

・雇入れ1年6か月経過後以降の付与:前年の労働日数の実績

たとえば、週所定労働時間が30時間未満の労働者について、雇入れから6か月間の労働日数の実績が80日であれば、2倍した160日を1年間の所定労働日数とみなします。
法定の比例付与では「年間121日から168日」の区分となるため、6か月時点の付与日数は5日です。

雇用契約で「1か月に12日程度勤務」など、目安となる労働日数を定めている場合もあります。この目安を使って計算した付与日数が、労働日数の実績を使った付与日数を上回る場合に限り、目安の日数を使って差し支えないとされています。
会社に都合のよい低い日数を選ぶ取扱いではない点に留意してください。

年休取得日に支払う賃金と年5日の取得義務

シフト制労働者から年休の請求があった場合も、原則として労働者が請求する時季に取得させる必要があります。
「シフトを調整して出勤日を決めたため、その日には年休を使えない」という取扱いは認められません。

年休取得日の賃金を、就業規則等で「所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金」と定めている場合、時間給の労働者には、時間給にその日の所定労働時間を乗じた金額を支払います。
日給の労働者には、その日給額を支払うこととなります。

また、法定の年休付与日数が10日以上となる労働者には、シフト制であっても年5日の取得義務が適用されます。
本人が取得した日数を確認し、不足する日数については、基準日から1年以内に会社が時季を指定して取得させる必要があります。

「シフト制」労働者の適正な年休付与へ向けて

今回の留意事項により、所定労働日数を算出しにくい場合でも、実績を使って年休付与日数を決める方法が明確になりました。

過去の付与日数に不足の疑いがある場合や、勤務日数が大きく変動する労働者の算定に迷う場合は、シフト表、勤怠データ、雇用契約書、年次有給休暇管理簿を整理したうえで、社会保険労務士にご相談ください。

それでは。

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